Japan Clean Ocean Material Alliance

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お知らせ

2024-01-15

お知らせ

日本におけるケミカルリサイクルの社会実装の推進に関するポジションペーパーを掲載しました

1.背景と経緯

      

CLOMA キーアクション実行ワーキンググループ3「ケミカルリサイクル技術の開発・社会実装」では、廃プラスチックの油化、ガス化、モノマー化等の技術の社会実装を推進することにより、再生プラスチック製品の高付加価値化・用途拡張を実現し、2050年までのカーボンニュートラルおよびCLOMAキーメッセージ「CLOMAは海洋プラスチックごみの削減に貢献するため、2050年までに容器包装等のプラスチック製品の100%リサイクルを目指す」などのより高度なサーキュラーエコノミー構築への貢献を目指しています。

      

近年の日本におけるプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の施行や、EUにおけるEUグリーンディール実現に向けた戦略、行動計画や各規則・規則案の発表などにより、カーボンニュートラル実現に向けた資源循環の加速化がプラスチック製品のステークホルダーに求められ、ケミカルリサイクルへの関心も非常に高まっています。

こうした状況を踏まえて、当ワーキンググループでは、ケミカルリサイクルの社会実装の推進に向けて取り組むべき課題と考えうる解決策について議論した結果をこの度、ポジションペーパーとして取りまとめました。

    

2.ポジションペーパーの概要

    

本ポジションペーパーは次のような構成及び内容でまとめられています。

     

●ケミカルリサイクルを取り巻く背景

 マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの特長を踏まえて、各々の環境的・経済的メリットを互いに補完しあうことで、プラスチックの資源循環のループの実現に貢献することを述べています。

     

●ケミカルリサイクルの社会実装の現状

 世界各地域でケミカルリサイクルの実装への取り組みが始まっていますが、日本においてもプラスチックの資源循環を実現するための設備能力はいまだ不十分であることを述べています。

      

●ケミカルリサイクルの社会実装における課題と解決策

 構造的課題と解決策を3点述べています。

 ①課題:投資リスクの高さ

  解決策:マスバランス方式の活用や国もしくは地方自治体による設備投資への財政上の支援

 ②課題:安定した原料確保のためのサプライチェーン整備の不足

  解決策:プラスチック廃棄物の回収や再資源化に係る法規制や政策の必要に応じた見直し

 ③課題:経済性を成り立たせるためのプレミアムとニーズの創出の不透明性

  解決策:総合的な環境への貢献に関する統一見解の醸成、価格転嫁への市場メカニズムの整備、高い環境価値を持つ製品の購買への税制的なインセンティブ支援、

  初等・中等教育での理解促進

     

●ケミカルリサイクルの社会実装の推進における提言

 プラスチック製品ステークホルダーへの提言を4点述べています。

 ①ケミカルリサイクル及びマスバランス方式の定義づけと価値の明確化

 ②プラスチック廃棄物の大規模な収集プラットフォーム構築

 ③ケミカルリサイクル技術・実装への投資に対する財政支援

 ④消費者におけるケミカルリサイクル・マスバランス方式の認知度向上及び教育における長期的な行動変容促進

     

3.今後

 このポジションペーパーの公表はスタート地点と考えています。CLOMA会員企業がさまざまな資源循環に関わるステークホルダーと種々の課題やその解決策を議論する際に活用することを期待します。また、キーアクション実行ワーキンググループ3においてもこの内容をベースとしてケミカルリサイクルの社会実装に向けたアクションを進めていきたいと考えています。

     

    

資料ダウンロード

 ポジションペーパー「日本におけるケミカルリサイクルの社会実装の推進に関して」